むし歯とはミュータンスと呼ばれる細菌が産生する酸によって歯が溶かされ、穴が開いた状態「う蝕」またはそのような状態になっている個々の歯を指して「むし歯」と呼んでいます。
歯周病と同じように感染症として位置付けられており、初期の段階では自覚症状がないため自分では気付かないことが多いのが特徴です。
こんな症状があったらむし歯の前兆です。早めにご来院ください。
歯の表面の溝が黒くなる、欠けたり、穴があく
水や甘いものがしみる
時々痛む
舌でさわると引っかかった感じがする
食べ物が同じ場所にはさまりやすい
どうしてむし歯ができるの?
歯を磨いても、なぜむし歯になってしまうのでしょう。
生後10ヶ月~31ヶ月くらいの間に、保護者(主に母親)から細菌たちが感染してしまいます。
これは避けられるわけがなく、一生無菌のままなどという事は不可能です。
このことに関しては、ご家族が神経質になる必要はございません。
ミュータンス菌の表面には螺旋状の突起物があり、それが歯の表面にねじ込むようにして、歯に張り付いてしまう為、磨き残しがあると歯が酸にさらされる時間が長くなりむし歯が形成されていきます。
つまり、歯を磨いていても、うまく磨けずに歯垢を取り残している場所がむし歯になりやすいのです。
むし歯になる4条件
むし歯になりやすい質の歯
歯垢をつくりやすい糖分
時間の経過
むし歯菌(ミュータンス菌)
むし歯になる4条件を取り除く
上の図からから分かる通り、4条件が重なりむし歯となります。
むし歯の原因はわかっていますから、この4条件を解消することがそのまま予防につながります。
しかし、歯の質を変えることや、細菌の数を減らすこと、糖分をまったく摂取しないなどは不可能です。
患者さまが1番実践しやすいのは、食べたらすぐ磨くということです。
そうすれば、食後や間食後にお口の中の酸性度を比較的早く下げることができむし歯のリスクは低くなります。
また、ほとんどの方はしていらっしゃらないと思いますが、ブラッシング後に鏡でちゃんと磨けているか確認するのも良いでしょう。
ただし、100%歯垢を取り除くことは不可能に近いため、定期的な検診や個人に合わせたブラッシングの方法を提案させていただく事が何より大事です。
むし歯ができる原因を知り、予防を心がけることが大切です。
虫歯が神経まで達すると、神経をきれいに取り除く「根管治療」が必要になります。
根管治療では、神経を除去したあとに神経が入っていた管(根管)の内部を洗浄・消毒し、細菌の繁殖を抑える薬を詰めてふさぎ、歯の機能を保ちます。
抜歯をせずに歯を残すことができる大切な治療です。
虫歯ではないのに、歯がしみるといった症状があれば、知覚過敏の疑いがあります。
知覚過敏とは、歯の表面のエナメル質が薄くなって、神経に刺激が伝わりやすくなっている状態。
知覚過敏は治療で改善できます。
歯が痛い・しみるといった症状にお悩みでしたら、まずはお早めにご相談ください。
知覚過敏になるのはどうして?
知覚過敏の主な原因は、歯の表面のエナメル質が何らかの原因で薄くなってしまうこと。
エナメル質が薄くなったり、あるいはエナメル質に覆われていない部分が露出してしまったりすることで、痛い・しみるといった症状が出てしまいます。
以下のような原因に心当たりがあれば、一度、当院へご相談ください。
歯ぎしり・噛み締め | 無意識に強い力がかかっていると歯に大きな負担となり、エナメル質を傷つけてしまいます。 |
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長すぎる・強すぎる 歯みがき |
丁寧な歯みがきは大切なことですが、強すぎる力で歯みがきするのはおすすめできません。 また、長時間の歯みがき、硬すぎる歯ブラシの使用もエナメル質を削る原因となります。 |
酸の摂りすぎ | 身体にいいとされているレモンやお酢は、摂りすぎるとエナメル質を溶かす原因になります。 |
ホワイトニング | 歯を白くするホワイトニングは、頻繁に行ったり、適切でなかったりすると知覚過敏の原因となることがあります。 |
歯周病 | 歯周病で歯ぐきが下がることで、エナメル質に覆われていない歯の根っこが露出し、痛みを感じることがあります。 |
「乳歯はいずれ永久歯に生えかわるから虫歯のままほうっておいても大丈夫」と思っておられるお母さん方が多いのではないでしょうか。
乳歯が健全か、正しく治療されているかは、後の永久歯の歯列だけでなく、大事な成長期の身体の発育にまで大きく影響してきます。乳歯は痛みだしたり腫れたりすると、治療しても経過が悪いのが現実です。
そこで必要なのが早期治療と虫歯予防です。
誰しも歯医者さんは「大好き」という訳ではないと思います。小さなお子様なら尚更です。
当院ではそれぞれのお子様の性格を理解したうえで根気よく且つ慎重な治療を受けていただけるよう努めております。
恐がることはありません。
安心して治療を受けに来てください。
早期治療
ご家庭で虫歯を全て見つけるのは明るさの面で無理があります。
噛む面以外にも、表から見えにくい歯と歯の間にも虫歯はできるので、ご家庭ではなかなか見付けられないものです。
そこで1ヶ月に一度は歯科医院で歯科検診を受けられることをお勧めします。
そうすることによって痛む前に完治し、咀嚼力を確保できると同時に完治した乳歯が永久歯を正しい位置へと誘導してくれます。
正式には第三大臼歯(=智歯)と言われる歯が「親知らず」です。
第三大臼歯は、生えないことも多い歯です。
理由としては、顎の中に存在するが生えてこない場合と、生まれつき親知らずがない場合があります。
また、生えてくる時期に非常に個人差があり、早い人では十代後半、遅い人では二十台後半に生えてきます。
親知らずによるトラブル
食生活の変化により現在の日本人の顎は、親知らずが生えるには十分な大きさではありません。
親知らずが変な方向に生えてしまったり、完全に生えないなどにより、親知らずの前の歯が押されて位置がくるってしまったり、周りの歯が不衛生な状態になったりします。
そのことにより、次のようなトラブルが頻発します。
親知らずが虫歯になる
親知らずの前の歯が虫歯や歯周病になる
歯並びが悪くなる
腫れて痛む
親知らずは抜いたほうがいい?
正常に噛みあっていて、日常生活に何も問題のない親知らずなら抜く必要はありません。
また、親知らずは保存しておけば将来的に移植や治療に使用できるという意見もあります。
しかし、親知らずの存在により、痛みや腫れなどのトラブルを起こしているような場合には、親知らずを抜いてその他の正常な歯の健康維持を心掛けたほうがいい時があります。
「抜いたほうがいい」場合は歯科医師と十分に相談してください。